人喰いの大鷲トリコ ストーリー考察(ネタバレあり)

人喰いの大鷲トリコをクリアして、ストーリーを全部知りました。完全には語られていない部分が幾つかあり、個人的な考察ということになる部分もありますが、俺なりの見解を書いていきたいと思います。全くストーリー性がないゲームと思いきや、終盤で一気にストーリーが進みます。ゲーム進行に合わせてではなく、時系列的に書いていきます。(2016年12月17日コメントによる追記あり)

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 タルに関して焦点を絞った考察を、いただいたコメントを中心に記事としてまとめました。あわせて閲覧ください。

少年はトリコにさらわれていた

ゲーム冒頭では、少年はなぜここにいるのかわからないというシーンで始まりますが、これはトリコにさらわれてきたようです。大鷲は「人喰い」と呼ばれています。少年が村で寝ていたところにトリコが村にやってきて、少年をさらいました。なぜさらったかというと、当然食べるためだと思います。このシーンは回想シーンで見られるのですが、このシーンでわからない部分もありました。トリコに見られた少年は、赤い目をして目覚めます。その後、トリコに食べられてしまうのですが、なぜ少年の目は赤くなったのかがわかりませんでした。催眠のようなものなのでしょうか。そして、連れ去られた後、村長のような人が「選ばれしもの」という言葉を発します。この言葉と、少年の赤目に関係がありそうなんですがこれといった考察が見つからず、不明なままです。

 

大鷲が人を食べるためには

大鷲は人間をそのまま丸呑みするわけではありません。一度人間を食料に変える機械に入れます。その機械から排出されるのが「タル」です。ゲームを進行していて、所々にタルが置かれています。元気が無くなったトリコに対してタルを食べさせていきます。なんと少年はトリコに人間を食べさせていたのです。俺もまさか中身が人間とは思いませんでした。これが人喰いの大鷲と言われる所以ということになりますね。

追記  コメントで、タルの中身は植物性由来のものではないかという話をいただきました。俺もすっかり忘れていましたけどタルの周りに蝶が飛んでいることから、確かにその通りかもしれないとも思いました。要するに、塔を運営していくのに人間が必要で、塔のてっぺんで人間を入れると、ご褒美として植物性由来の何かが詰まったタルを大鷲にあげているということですね。これが正解のような気もしてきました。体に模様をつけた人間を塔に送り込んでということであれば、模様にも意味がありそうです。確しかに人間を入れてからタルが放出されるまでに早すぎるような気もします。人食いの大鷲と、村で恐れられていたけど実は、人を喰っていたのは塔だった。とうことになるのでしょうか。現状ではそこまで細かい設定や描写が描かれていないので何が正しいのかというのはわかりません。ただこういう風にいろんな見解があって非常に楽しいです。一応機械に入れられるシーンを貼っておきます。(コメントいただいた方、ありがとうございました)

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大鷲は少年をさらった後に大ケガをする

トリコも実は最初仮面をつけていました。仮面の話は下記で話します。少年をさらった後トリコは大鷲の谷へ帰ります。帰っている途中に雷に打たれ、トリコはケガを負います。この雷が天災なのか仕組まれたものなのかはわかりません。トリコは墜落してしまいますがなんとか谷にたどり着きます。その際に仮面が壊れてしまうのです。そして墜落したあと、鎧の兵士がタンカーのようなものを利用して、トリコを幽閉します。この際仮面は壊れたままで、鎖で繋がれています。

 

 

トリコがつけている仮面の効果

トリコがつけている仮面は簡単に言えば洗脳装置です。大鷲は全て仮面をつけており、つけている大鷲は凶暴です。そして人をさらい人間食料変換機に入れます。この仮面による洗脳は大鷲の谷自体が行っています。巨大な洗脳装置のようなものが谷にありそれが仮面をつけた大鷲に対して洗脳電波のようなものを受信しているようです。これが取れると正気に戻るわけです。トリコは落雷と、落下で仮面が壊れてしまいました。ですので洗脳が解かれたということになります。鎧の兵士が幽閉させたものおそらくこの後トリコに再び仮面をつけるためかと思います。(これは俺の推察)

追記 大鷲のツノが関係しているのではないかというコメントをいただきました。俺もツノのことは完全に忘れていたので全く考察してませんでしたが、確かに序盤はツノがなく、後半回復してツノが復活しています。コメントでもあります通り、折れて洗脳解除となるなら、復活した際はどうなると言う話になりますが、これはもう一度ストーリーを見てみないとわかりませんね。(コメントいただいた方、ありがとうございました)

 

 

少年が口から吐き出される

体力を消耗しているトリコは少年を吐き出します。青い液体に包まれた少年は、人間を食料に変える機械に入れられることなく外に出ることができました。ここからがゲームの始まりとなります。少年は寝ていた状態でトリコに食べられ大鷲の谷に連れてかれました。ですので記憶がないということも納得できます。分からなかったことは、なぜ体に模様が出現していたかということです。トリコの体内に取り込まれたからなのは確実なのですが、この模様が何を意味していたのかは一回のプレイでは解読できませんでした。そしてトリコにつながれていた鎖を外します。自由になったトリコは、少年と現在いる場所から移動しようとするのですが、この時どこに行こうかと決まっていたわけではないと思います。トリコが自由になったことで鎧の兵士は仮面をつけられなくなってしまいました。(たぶん)

 

 

鏡のようなアイテムを手にいれる

光を放つことができる鏡のようなアイテムを手に入れます。これはこの大鷲の谷で使う鍵のようなもので最後の扉を開けるためにも必要です。なぜこんなものが序盤の場所にあったのかはわかりませんが、さすがにゲームの都合かなと思います。しばらく進むとトリコに少年が食べられてしまうシーンで鏡をなくしてしまいます。しばらく鏡がない状態で探索を続けるのですが、最終的にはトリコが腹の中に持っていました。なぜ最後まで腹の中に隠していたのかはちょっとわからないのですが、鎧の兵士や他の大鷲に取られないために守っていたのか、体力が弱まった際に吐き出してしまうということかなと解釈しています。

 

 

トリコを凶暴化させてしまう装置

これも仮面が外れてしまった際に、再度仮面をつけるための催眠装置かなと解釈しています。暴走したトリコは少年を再び食べてしまいますが、その近辺にいた鎧の兵士も倒してしまうのでしょう。正気に戻ったトリコは再び少年を吐き出し、探索を再開するということになります。あの装置では完全に洗脳させることができないのか、予想外にトリコが反発して鎧の兵士がやられてしまうのかわかりませんが、ゲーム中ではこの装置を使って再度洗脳することはありませんでした。作中では3個の洗脳装置が設置されており、1回目は少年を食べてそのまま鏡も飲み込んだまま、2回目も少年を食べるが、重要な回想をトリコと共有する。3度目は洗脳の前に雷攻撃で破壊するという形となりました。

 

 

最上層から谷を抜け出そうとする少年

2度目にトリコに食べられた際、おおよそのことは理解したのだと思います。そして、トリコの傷が回復し、少しでも飛べるシーンを見て「これならトリコが完全に回復したら谷から抜けられるかもしれない」と思います。これまではなんとなく脱出するために行けるところを進んで、結果的に上へ上がっていたという感じでしたが、このとき明確に最上層を目指すことになります。

 

 

大鷲の谷とは

これも謎が多いのですが、大鷲が住み着いている谷で、谷の中央に建っている塔のてっぺんには大鷲への洗脳装置が設置されています。そして出入りは上空からしかできないということで人間は基本的に侵入も脱出も不可能です。これについての考察は下記で行います。

 

 

一匹の仮面大鷲と戦う

探索の途中で、一匹の仮面をつけた大鷲と戦うことになります。戦いは壮絶で、なんとか少年とトリコは生き残ることができます。相手の大鷲は、少年の攻撃によって仮面を破壊されてしまいます。仮面を破壊された大鷲は洗脳が解けたようで瀕死のトリコは無視して何処かに行ってしまいます。仮面で洗脳しているという根拠がここにあり、エンディング中では、この大鷲も途中で登場します。谷の中心にある洗脳装置を破壊した後、洗脳された全ての大鷲が死んでいく中、仮面をつけていないトリコと、戦った大鷲だけは全く影響を受けていませんでした。ですので仮面が洗脳する機械であるということは間違いなさそうです。

 

 

結果的に谷中央にある洗脳装置を破壊する

少年の目的は大鷲の谷を脱出することにありました。ですので、洗脳装置を破壊しようと思ったり、谷を壊滅させようと思って探索を続けていたわけではありません。最上層に少年とトリコが到達した後、洗脳装置は仮面の大鷲に襲わせるような指令を出し、大量の大鷲が最上層エリアに集います。20匹くらいいたのですかね。1対多数ということでほぼ勝ち目がない状態の中、運が味方します。食いちぎられた尻尾がたまたま洗脳装置の前に落ち、鏡のアイテムを使って雷を発車。結果洗脳装置を破壊することに成功しました。同時に塔も破壊されます。結果的に破壊したわけですが、生き残るためにたまたま破壊したという感じですね。破壊後は仮面をつけている大鷲がバンバン墜落しおそらく絶命しているのだと思います。生き残った描写があったのは、トリコと、以前トリコと戦って仮面を壊した大鷲だけです。このほかに大鷲がいたのかはわかりませんが、仮面をつけている大鷲は全滅したのではないでしょうか。敵が全滅したことで邪魔するものはいなくなり、トリコは空を飛び、少年を村まで連れて行ってくれます。

 

 

村に帰る少年

トリコは瀕死でありながらもなんとか少年を村へ運ぶことができました。少年を置いたトリコは再び大空に舞い、再び会うことはなかったようです。そしてその際のナレーションでは、「あの傷じゃそう長くはないだろう」と言われていました。

 

 

エピローグ

少年が大人になったシーンとなります。そしてプレイ中にたまにヒントが出てきていましたが、これは未来の自分ですね。すると、土に埋まった鏡を発見します。これを掲げたところでプレイヤーの視点は大空へ。少年が村へ帰った際に、「トリコはもう長くない」と言っていたことと、その後トリコに会ったという描写がないことから、トリコは死んだと予想されていましたが、最後の最後にトリコが生きているという描写でゲームは終わります。プレイヤーとしては嬉しい描写ですね。少年はきっとトリコは死んだと思っていることでしょう。親友といった関係を築けいていた間柄です。再び会えるのではないかと妄想しています。

 

 

各種考察

※これ以降は個人的な考察です。全く見当違いの可能性もありますので、話半分くらいで読んでみてください。

  • 考察 鎧の兵士とは

鎧の兵士は大鷲とは全く関係ないような感じですが、おそらく、あの谷を運営するためのロボット兵士のようなものだと思っています。設備の維持管理や、大鷲の洗脳が解けた時の対応など、谷全体は彼らが保全していくのではないでしょうか。

 

  • 考察 トリコの好きな液体?煙?は

これは結局何だったのかわかりませんが、人間を食料に変えてしまう種族です。人間が含まれたスープのようなものだったのかもしれません。ですのでトリコがめちゃくちゃ興味を示したのかもしれませんね。

 

  • 青い扉はの先は?

これも作中で語られていませんが、少年が鎧の兵士に連れ去られる際に開く扉です。作中ではこの向こう側にいくとゲームオーバーとなります。これまでのことを考えれば、人間食料変換器に入れられて、大鷲の餌になるのではないかと思うのが普通かと思います。

 

  • 考察 谷は誰が作ったのか

これは作中には登場していません。しかし、谷自体はかなり高度な文明でした。当然大鷲が作ることは不可能ですので、人間が作ったということになります。もともと大鷲のために作ったのか、人間のため作った文明跡地に大鷲が住み着いたのかわかりませんが、個人的には、人間のためでも大鷲のためでもあったのではないかと思っています。

 

  • 考察 エピローグで塔が復活している?

確かに少年たちは洗脳装置と塔を破壊したはずなんですが、エピローグでは塔は復活しているように見えます。装置まではわかりませんが、なぜ復活しているのでしょうか。誰かが復旧したのか、もしくは俺が壊れたと思っていた塔はもともと壊れていなかったということになります。後者であれば何の問題もないのですが、前者なら一体どうやって復旧したのかという話になりますが、何も思いつきませんでした。

追記 コメントで塔は表面が剥がれただけといただきました。よく見てみると確かにそんな感じがします。みなさんよく見てますね。流石です!上が表面剥離のスクショで下がエピローグの塔です。全然壊れてないですね笑 (コメントいただいた方、ありがとうございました)

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  • 考察 大鷲は兵器、ロボットではないか

とんでも理論かもしれませんが、個人的には結構しっくりきています。そもそも大鷲の谷は人間が作ったということは間違いありません。人間が自分たちを守る、もしくは他の人間を侵略するために大鷲を製造したのではないかと思っています。まず大鷲がロボットなのではないかと思えるシーンは、仮面で洗脳しているというところと、トリコに鏡のアイテムを与えた時の反応です。目が様々な色に変化するのですが、この際の演出が非常に不気味で生物的な感じがしないんですね。まるでロボットのような反応をしているように見えます。鎧の兵士自体も、中には何も入っていませんし、ロボットのようなものです。大鷲、谷のメンテナンスを任されたロボットで、大鷲による攻撃とロボットによる保守メンテ。こんな感じで谷は成り立っていたのではないかと思います。鏡を見せた時の反応が全然違ったのなら、ロボットとは全く思わなかったのですが、あの反応だと疑ってしまいます。また人間の形を変えて隅々まで食べるというのがロボットらしいです。カロリー摂取というか燃料補給という感じですよね。某映画でもこれに似たシーンがあり、ロボットが人間からエネルギーを摂取しているという描写がありました。

 

 

まとめ

非常に考えさせられるストーリーでした。また、説明が非常に少なく、描写で推察してストーリーを補完していかなければ何をやっているのか全くわからないといった感じです。言葉で理解するゲームではなく、映像で理解するゲームです。なかなか最近だとこういったゲームはありません。物語も序盤から中盤にかけては待ったく進展せず、終盤で一気にいろんなことがわかってきます。プレイヤーにとっては序盤の進展のなさがつまらないと感じるかもしれませんが、やっている行動やいろんなことに意味があり、それが繋がった時はゾクゾクします。タルを食べさせていたシーンなど何も考えていませんでしたが、まさか中身が人間だったり、思い返すと衝撃的な展開と言えますね。一回のプレイではまだわからないこともありますし、完全にわからないだろうという部分もたくさんあると思います。最終的に製作者の解説により補完ができれば最高なのですが、この謎めいた部分を残したままというのも人喰いの大鷲トリコというゲームらしいかもしれません。ぼーっと映像を見ていると重要な描写を見逃しがちになります。これを読んだ上で(もし賛同してもらえればですが) ストーリーが気になる方は是非もう一度プレイしてみてください。本当におもしろゲームでした。