year2という考え方

近頃year2という考え方を持たせたゲームが一部あります。この手法で展開するということがどういったメリットデメリットがあるのかということを考えていきたいと思います。日本のゲームソフトではまだあまりない考え方ですが私は結構好きな考え方です。

year2とは

ゲーム本編が発売されると同時にシーズンパスといったものも発売されます。このシーズンパスに含まれる内容としてはゲームによって様々変わりますが、大抵は、その1年間に行われるアップデートを、全て遊べる権利を手に入れることが出来るといった内容になっています。そうして1年間が過ぎるとゲームも下火になりアップデートが行われなくなるといったことが起こるわけですね。

year2とは、「2年目もアップデートするからまたシーズンパスを買って遊んでください」といったものです。今回はこの手法について個人的な見解で話をしていこうと思います。

 

メリット1 ゲームをそのまま使える

最大のメリットはゲームのベースをそのまま使えるということです。骨格からがらりとゲーム内容を変更することは出来ませんが、出来上がっているシステムを調整したり、拡張したりということが簡単に出来ることです。仮に〇〇2というタイトルを発売した場合、前作をそのまま使うことは出来ません。というのも、全く同じではユーザーに怒られてしまいますし、やはりある程度は新しく作っていかなければいけないわけです。year2であれば開発費自体も大幅に削減することが出来るので大きなメリットといえます。

 

 

メリット2 ユーザーの数が分かる

ゲームが発売されて1年間経った後、アクティブなユーザーや同時接続数などを確認することで、year2につなげるかどうか判断することが出来ます。多くのユーザーが1年以上経っても遊んでいるということであれば、そのユーザーにとってそのゲームはかなり好きであるということがいえます。そんなユーザーの前に、「year2始めます」と告知すればたいていの人がシーズンパスを購入することでしょう。そうでなければとっくに別のゲームを遊んでいるはずです。ですので、遊んでいる人が多ければ多いほどyear2が始まる可能性が高くなります。

 

 

メリット3 追加アイテムが売れる?

メリット2に少し似ていますが、大好きなゲームがもう1年間アップデートされればうれしいと感じるのは間違いありません。その上で見た目アイテムであったりモーションだったりをリアルマネーで販売したとしましょう。1モーションが500円などする時代ですが、たいていの人はこういった追加アイテムを買わないかと思います。それはなぜかといえば、もったいないからです。ゲーム本編でお金を出して購入している上に、ゲームの攻略とは全く関係ない「見た目」や「モーション」などに価値を見出せないからです。しかし、長く遊んでいる人にとっては必ずしもそうはなりません。何百時間も遊んでいれば数百円程度高いとは思わない人もいるでしょう。また他人とは違う何かを持ちたいと思うことも多いです。ですのでコアなファンが残っていればいるほどこういった追加アイテムは購入されやすいかと思います。

 

 

デメリット1 宣伝しにくい

完全新作は期待度としても宣伝力としても非常に強力で多くの本数が売れる可能性があります。例えばスプラトゥーンは先日2が発売されましたがこれも相当売れているといわれています。これがもしyear2という手法で販売していればそれほど売れるということはなかったかもしれません。

 

 

デメリット2 新規を囲いにくい

ゲームはスタートラインが同じであるという部分も重要なポイントです。例えば他のプレイヤーがエンドコンテンツでバリバリ遊んでいる中に新規プレイヤーが入っていくのは少々窮屈に感じるでしょう。長くプレイしている人はその分有利であるということを欲しますし、新規で始めようと思ってもその差が好きになれないという人もいます。ですので新規のプレイヤーをがばっと囲い込むのは難しいのです。

 

 

デメリット3 ハードのアップグレードは出来ない

例えばPS4で絶大な人気を誇っていたゲームがyear2、year3と歴史を重ねていったとします。そうこうしているうちにPS5が発売された場合、そのまま移行することが出来なくなります。こうなった場合はおとなしく〇〇2というタイトルで新開発しなければいけないということですね。もちろんグラフィックなども前世代の機種と新機種では全然違いますし、そのときのユーザーを満足させるためにはそれなりのものを用意しなければいけません。ですのでyear2という考え方は、対応しているハードが若いタイミングが最良となり、次世代機の噂などがちらちら出始めているようなタイミングではそういった長期の計画では上手くいかないことが多いかもしれません。

 

 

最後に

まだまだ色んなことが言えるかと思いますがパッと思いつくのはこれくらいでしょうか。個人的には新しいタイトルで出すよりもyear2としてゲームが続いていくのが好きです。好きなゲームは長く遊んでいたいですからね。日本ではまだまだこの考え方で展開するゲームは少ないでしょうし、やろうとも思わないかもしれません。単純な売り上げで考えれば少なくなるのは間違いないですから。しかし長期的な運用として考えれば開発費などを抑えることが出来る上にそこそこの値段が付けられたシーズンパスを一定の人数が購入することを考えると、これまで使い切りだったゲームというものがかなりの時間延命できるということになります。戦略の一つとしては悪くはないのではないと思えました。